2013年03月03日
あのおみよは
「あのおみよは人に殺されたんじゃないんです」と、亭主は云った。「おふくろもその当座は気が転倒しているもんですから、なんにも気が付かなかったんですが、きのうの朝、長火鉢のまん中の抽斗をあけようとすると、奥の方に何かつかえているようで素直にあかないんです。変だと思って無理にこじあけると、奥の方に何か書いた紙きれが挟まっていたので、引っ張り出して読んでみると、それが娘の書置なんです。走り書きの短い手紙で、よんどころない訳があって死にますから先立つ不孝はゆるしてくださいというようなことが書いてあったので、おふくろはまたびっくりして、すぐにその書置をつかんで私のところへ飛んで来ました。娘の字はわたくしも知っています。おふくろも娘の書いたものに相違ないと云うんです。して見ると、あのおみよは何か云うに云われない仔細があって、自分で首を縊って死んだものと見えます。そのことは取りあえず自身番の方へもお届け申して置きましたが、けさも長五郎親分が見えましたから詳しく申し上げました」
「そりゃあ案外な事になったね。そうして、長五郎はなんと云いましたえ」と、半七は訊いた。名入れ 夢彩工房 せった - 名入れ雪駄
「そりゃあ案外な事になったね。そうして、長五郎はなんと云いましたえ」と、半七は訊いた。名入れ 夢彩工房 せった - 名入れ雪駄
投稿者 クレジットカード 16:28 | コメント(0)| トラックバック(0)
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