2012年12月07日
稿本の奧に書きつけおける
この文、もと、稿本の奧に書きつけおけるおのれがわたくし物にて、人に示さむとてのものならず、十七年があひだの痕、忘れやしぬらむ、この文、もと、稿本の奧に書きつけおけるおのれがわたくし物にて、人に示さむとてのものならず、十七年があひだの痕、忘れやしぬらむ、後の思ひでにやせむ、とて筆立でしつるものなるが、事實を思ひいづるにしたがひて、はかなき述懷も浮びいづるがまに/\、ゆくりなくも、いやがうへに書いつけもてゆけるはて/\の、かうもくだ/\しうはなりつるなり。さて、本書刊行の成れるに及びて、跋文なし、人に頼まむ暇はなし、よし/\、この文を添へもし削りもして、その要とある所を摘みて跋に代へむ、など思ひはかりたりしに、今は、日に/\刊行の完結を迫られて、改むべき暇さへ請ひがたくなりたれば、已むことを得ずして、末に年月を加へて、淨書もえせずして、全文をそのまゝに活字に物することゝはなりにたり。さればこの文を讀むことあらむ人は、たゞその心して讀み給へかし、もし、さる事の心をも思ひはからず、打ちつけに讀み取りて、「たゞ一部の書を作り成し得たればとて、世に事々しき繰言もする人哉、心のそこひこそ見ゆれ、」などあながちに我をおとしめ言はむ人もあらば、そは、丈夫を見ること淺き哉、と言はむ。たゞ、かへす/″\も、ゆくりなき筆のすさびと見てほゝかし給へや。
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投稿者 クレジットカード 20:35 | コメント(0)| トラックバック(0)
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