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湯屋を風呂屋という人が

 湯屋を風呂屋という人が多くなっただけでも、東京の湯屋の変遷が知られる。三馬の作に「浮世風呂」の名があっても、それは書物の題号であるからで、それを口にする場合には銭湯とか湯屋とかいうのが普通で、元禄のむかしは知らず、文化文政から明治に至るまで、東京の人間は風呂屋などと云う者を田舎者として笑ったのである。それが今日では反対になって来たらしい。
 湯屋の二階はいつ頃まで残っていたか、わたしにも正確の記憶がないが、明治二十年、東京の湯屋に対して種々のむずかしい規則が発布されてから、おそらくそれと同時に禁止されたのであろう。わたしの子供のときには大抵の湯屋に二階があって、そこには若い女が控えていて、二階にあがった客はそこで新聞をよみ、将棋をさし、ラムネをのみ、麦湯を飲んだりしたのである。それを禁じられたのは無論風俗上の取締りから来たのであるが、たといその取締りがなくても、カフェーやミルクホールの繁昌する時代になっては、とうてい存続すべき性質のものではあるまい。しかし、湯あがりに茶を一ぱい飲むのも悪くはない。湯屋のとなりに軽便な喫茶店を設けたらば、相当に繁昌するであろうと思われるが、東京ではまだそんなことを企てたのはないようである。業務用エアコン 愛知 社会の歯車はグルグル回る
投稿者 クレジットカード 04:52 | コメント(0)| トラックバック(0)
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